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最終更新日 2025.07.07
マンタに遭遇できるかも?川平石崎マンタスクランブルの魅力を徹底解説
- 沖縄県
- 石垣島

石垣島にあるダイビングポイント「川平石崎マンタスクランブル」。
その名の通り、ダイナミックな様子のマンタに遭遇できる可能性が高いポイントとして人気を博しています。
本記事では、石垣島で見ることができるマンタの特徴やマンタに出会える季節、マンタに出会ったときに注意すべき点、川平石崎マンタスクランブル以外のダイビングスポットについて解説します。
目次
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マンタに出会うなら川平石崎マンタスクランブル!魅力を解説
川平石崎マンタスクランブルは石垣島の「平離島(ひらばなりじま)」に位置し、日本でも有数の「マンタに遭遇しやすい場所」としてダイバーからの人気が高いポイントです。
川平石崎マンタスクランブルは石垣島のダイバーで八重山ダイビング協会の会長も務めた園田真氏により、1985年頃に開拓されました。以下では、川平石崎マンタスクランブルにマンタが集まる理由や海中の特徴について解説します。
川平石崎マンタスクランブルはマンタの「クリーニングステーション」
川平石崎マンタスクランブルの水深は約10mで、海底にはサンゴ礁が広がっています。サンゴ礁の根がある水深8〜13m付近には、ホンソメワケベラやチョウチョウウオといった小魚が多く生息していることが特徴です。
彼らは「クリーニングフィッシュ」と呼ばれ、魚の体表に付着した寄生虫や食べかすなどの汚れを食べ、掃除をするというユニークな特徴を持っています。
このクリーニングフィッシュを求めてマンタが川平石崎マンタスクランブルに集まるため、川平石崎マンタスクランブルは「マンタのクリーニングステーション」と呼ばれています。
さらに、マンタはお気に入りのステーションを見つけると繰り返し訪れる習性があるため、ダイバーは高確率でマンタの優雅な遊泳やクリーニングの様子を観察することができます。
川平石崎マンタスクランブルは潮の流れが比較的穏やかで潜りやすい
川平石崎マンタスクランブルのクリーニングステーションはリーフ上の根の上に位置しており、約10メートル前後の水深と比較的浅い位置にあるため、初心者でも潜りやすい深さといえます。
また、潮の流れも比較的穏やかな場所です。そのため、初心者ダイバーから上級者ダイバーまで、マンタと遭遇できるダイビングを楽しめる潜りやすいポイントとして知られています。
石垣島周辺で見られる「ナンヨウマンタ」の特徴と出会いやすい時期
マンタにはオニイトマキエイとナンヨウマンタの2種類があり、石垣島で見られるのは主に「ナンヨウマンタ」です。オニイトマキエイとナンヨウマンタの違いやマンタの性格、出会いやすい時期を解説します。
マンタのお腹の模様は個体ごとに特徴がある!お気に入りのマンタを見つけよう
オニイトマキエイとナンヨウマンタの違いはこちらの通りです。
マンタの性格は温厚で好奇心が強いため、ダイバーが近寄っても逃げることは少ないです。そのため、観察や写真撮影もしやすく、海中でマンタと泳ぐ優雅な写真が撮影できることも。
ちなみに、マンタのお腹には個体ごとに異なる模様があるため、ダイビング中にもしお気に入りのマンタを見つけたら、その模様を覚えておくと良いでしょう。「次に潜ったときに再び出会えるかもしれない」というワクワク感や楽しみが増えます。
マンタに会えるのは3月〜10月
石垣島周辺は1年中マンタが生息していますが、秋から冬は北風がダイビングに影響しやすいため、マンタに会いやすい季節は3月〜10月といわれています。
その中でも特に、3月〜5月は気候が穏やかで過ごしやすく、10月〜11月は台風のピークも過ぎて天候が安定します。(ただし10月〜11月は平均して月に1回ほど台風が来ますので完全に0というわけではありません)
また、少し台風シーズンと被りますが、もしマンタの繁殖シーズンを狙うなら、9月後半〜10月もおすすめです。繁殖のために多くのマンタが集まるほか、この時期には「マンタの乱舞」と呼ばれる、マンタがダイバーの周りを回遊する状況を見られる可能性が高くなります。
注意点として、8〜9月の石垣島は、台風が接近する確率が高いです。台風のシーズンは飛行機も欠航することに加え、海洋状況も不安定になり船が出航できないため、ダイビングが中止になる可能性も考慮しましょう。
また、11月〜2月は川平石崎マンタスクランブル周辺の風向きが北風になり、海が荒れやすくポイントへ行けない日も増えるため、あまりおすすめのシーズンではないといえるでしょう。
川平石崎マンタスクランブルを堪能するために知っておくといいこと
川平石崎マンタスクランブルに来たからには、マンタに絶対会いたい!と考える方も多いはずです。
川平石崎マンタスクランブルでマンタとのダイビングを楽しむために必要なことを解説します。
繁殖シーズンである9月~10月に合わせてダイビングする
『マンタに会えるのは夏~秋』で先述したとおり、9月〜10月はマンタの繁殖のシーズンです。そのため、マンタに遭遇したい方はこのシーズンを狙うとよいでしょう。
また、繁殖シーズンには「マンタトレイン」という、オスが列を作って1匹のメスを追いかける様子を見られる可能性もあり、マンタの生態行動を観察したい方は特にこの時期のダイビングがおすすめです。
初心者でもダイビング可能なスポットだが注意点もある
川平石崎マンタスクランブルは水深が約10mと浅い場所にあり、潮の流れも穏やかです。そのため、オープンウォーターダイバーのライセンスを取得した初心者でも楽しむことができます。
しかし、マンタや石垣島の海の生態系を守るために注意しなければならないこともあります。ダイビング時の注意点について表にまとめました。
川平石崎マンタスクランブルで守るべきルール
POINT
- フィンやタンクをサンゴ礁にぶつけない
- ダイビング中は中性浮力を保持するため適正なウエイト調整をする
- スキンダイビング(素潜り)は禁止
- ドリフトダイビングは禁止
- マンタが近づいても追いかけない
- マンタが近づいても触らない
- マンタの進行方向を邪魔しない
- クリーニングステーションであるサンゴ礁の上を横切らない
- サンゴ礁の上に乗らない
- タンクを叩く、アラートを鳴らすなど大きな音は出さない
- 吐き出したエアーの泡をマンタにあてない
これらの禁止事項を守ることに加え、ダイビング中は必ずインストラクターの指示に従いましょう。 マンタは2014年にワシントン条約で国際取引規制の対象となり、国際自然保護連合(IUCN)が危急種(絶滅の危険性が高い種)に指定するなど、絶滅を危惧する声もある貴重な生物です。さらに川平石崎マンタスクランブルのある川平湾は西表石垣国立公園に指定されているため、ダイビングの際はマンタやマンタのいる環境を守るような行動を心がけましょう。
シュノーケリングでマンタに出会える
マンタはエサを求めて水面近くに上がってきたり、海面から2m程ジャンプしたりします。そのため、シュノーケリングでもマンタを見ることができるケースがあります。
また、ダイビングをした日に飛行機に乗ると減圧症のリスクが高まるため、旅行の最終日はダイビングができないとされていますが、シュノーケリングであれば減圧症の心配がないため、旅行の最終日もマンタと一緒に過ごせるというメリットがあります。
ウミガメに出会える可能性もある
川平石崎マンタスクランブルでは、マンタだけでなくウミガメに出会える可能性があります。マンタやウミガメのような大型の生物に出会えるダイナミックなダイビングが期待できるでしょう。
他にも、サンゴ礁の広がる水中にはウミウシもいるため、マクロ写真が好きなダイバーも楽しめるポイントです。クリーニングフィッシュのチョウチョウウオやコバンザメも見ることができるため、南洋の豊かな生態系をじっくり観察するのも魅力の一つです。
一方で、ハブの50〜70倍ともいえる毒を持つウミヘビに遭遇することもあるため注意が必要です。噛まれてしまうと、呼吸困難や心不全で命を落とす可能性があるため、見かけても刺激せず立ち去るようにしましょう。
川平石崎マンタスクランブルへのアクセス方法
川平石崎マンタスクランブルは、石垣島にさえ到着できれば、後は現地のダイビングサービスが宿泊先から現地まで送迎してくれます。
主要空港から石垣島へのアクセス方法|東京、大阪、名古屋、福岡、那覇から直行便あり
石垣島にある「新石垣空港」には、国内の主要都市から直行便が運航しています。1日の便数、所要時間、料金を表にまとめました。
※記載している料金は、2025年3月19日時点で最安値のものです。料金は時期や予約状況によって変動する可能性があるため、詳しくは各種航空会社の公式サイトをご覧ください。
国内主要空港から新石垣空港への直行便 | ||||
---|---|---|---|---|
1日の便数 | 所要時間 | 片道料金 | 往復料金 | |
羽田空港 | 4~5便 | 約3時間20分 | ¥12,470~ | ¥24,940~ |
成田国際空港 | 2便 | 約3時間30分 | ¥9,080~ | ¥18,160~ |
中部国際空港 | 1〜2便 | 約3時間 | ¥13,970 | ¥27,940〜 |
関西国際空港 | 4便 | 約2時間40分 | ¥9,050~ | ¥18,110~ |
福岡空港 | 1便 | 約2時間 | ¥7,740~ | ¥15,480~ |
那覇空港 | 14便 | 約1時間 | ¥5,240~ | ¥10,480〜 |
川平湾から川平石崎マンタスクランブルまでは現地のダイビングサービスを利用する
石垣島に到着し、川平石崎マンタスクランブル向かう際は現地のダイビングサービスを利用するほうが便利です。現地のダイビングサービスを利用すると、ホテルから船が出航する川平湾まで送迎してくれることが多く、石垣市街地のホテルに宿泊する場合も送迎のサービスが期待できます。
川平湾から川平石崎マンタスクランブルまでは、船で5〜10分程度の所要時間で到着できます。移動時間は短いものの、船酔いしやすい人は事前に酔い止めを飲んでおくと良いでしょう。
川平石崎マンタスクランブル以外でのおすすめダイビングスポット3選
石垣島には、川平石崎マンタスクランブル以外にもダイビングを楽しめる魅力的なポイントが多数あります。今回は特におすすめのポイント3選を解説します。
一度に5隻しか係留できないマンタシティポイント
マンタシティポイントは、川平石崎マンタスクランブルから西へ400m程移動したところにあるポイントです。マンタシティポイントもその名の通りマンタのクリーニングステーションになっており、高確率でマンタに遭遇することが期待できます。
最大水深は20ⅿ、サンゴ礁の一番上から水面までの水深7~9m程度と潜りやすく、流れもほとんどないため初心者から上級者までダイビングを楽しむことができます。注意点として、マンタの保護のため一度に5隻しかブイに止まることができないため、ダイビングを楽しみたい方は予約必須です。
ウミガメに出会える山原(ヤマバレ)
川平石崎マンタスクランブルを海沿いに東へ向かった先にある山原(ヤマバレ)は、水深5mのところにサンゴ礁があり、ダイビングを楽しむことができるポイントです。
水深も浅く流れもほとんどないため、初心者から上級者まで楽しむことができます。砂地が広がるポイントで、ウミガメやナポレオンフィッシュに出会いやすいことが特徴です。また、カラフルなウミウシもいるため、マクロ写真を撮るダイバーも楽しめます。
マンタに出会える黒島V字ドロップ
黒島V字ドロップは石垣島と西表島の間にあるポイントで、冬でもマンタに出会える可能性が高い点が有名です。冬になると黒島周辺にプランクトンが発生し、そのプランクトンを食べに、マンタが集まります。マンタはプランクトンを捕食するため水面近くに集まることが多く、浅い場所でマンタとのダイビングを楽しめます。
最大水深は30mですが、ドロップオフになっており浅いところは5m程です。カスミチョウチョウウオやハナゴンベに出会える可能性もあるポイントです。
マンタに出会える川平石崎マンタスクランブルで一生の思い出に残るダイビングを!
川平石崎マンタスクランブルでは、マンタと海中を泳ぐダイナミックな経験ができますが、貴重な生き物であるマンタを守る意識を持ち、【マンタが住む世界にお邪魔している」という気持ちでダイビングすることが必要となります。
マンタは温厚な生物ですが、神経質な面もあるため、人間もマンタも快適に過ごすことができるよう配慮しながらダイビングを行うと、よりマンタとのダイビングを楽しめるはずです。
初心者〜上級者まで楽しめる川平石崎マンタスクランブルでのダイビングを堪能したい方は、石垣島のツアーをチェックしましょう。