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最終更新日 2025.06.24

奄美大島とは?固有の生き物・文化が息づく島へのアクセス方法と見どころ・楽しみ方を解説

  • 奄美大島

世界自然遺産登録もきっかけに、奄美大島の名前を見たり聞いたりする機会が増えたのではないでしょうか?その一方で、何となく南の方にあるというイメージはありつつも、実際どこにあって、どんなことができるのか詳しくは分からないという方もいらっしゃると思います。
この記事では、奄美大島のことをざっくりつかめる5つのポイントを紹介していきます。

目次

    目次

      奄美大島は鹿児島県にある!東京23区・琵琶湖より大きい島

      奄美大島は九州本土と沖縄の中間にある

      奄美大島の位置

      奄美大島があるのは、九州本土と沖縄のちょうど中間のあたり。南の島のイメージが強いので沖縄県と思われるかもしれませんが、鹿児島県の離島です。実は太平洋戦争後にはアメリカ軍の支配下にあり、島民の方々の運動もあって1953年に復帰したという歴史もあります。

      もともと大陸と地続きだった奄美大島には、大陸由来の生物種が生息していました。それらが海で隔てられたのち独自の発達を遂げ、奄美にしかいない固有種が多数残っています。その生物種の希少さと多様性も評価され、世界自然遺産登録につながりました。

      また文化の面でも琉球と薩摩の影響を両方受け、独自の習俗や文化が息づいています。

      日本で2番目に大きい離島

      奄美大島の面積は700平方kmあまり。離島の中では佐渡島に次ぐ広さで、東京23区や琵琶湖より大きいです。

      もともと地続きだった土地が海面上昇で切り離され島になったという成り立ちもあって、山から海に落ちこむ地形で平地は多くありません。海岸線も入り組んでおり、海沿いを走る道路で移動していた従来は、島内の行き来にも時間を要していました。現在ではトンネルが開通し時間距離がかなり短縮されています。
      それでも北部にある空港から中心地の名瀬までは50分、南部の古仁屋まではさらに1時間の道のりです。

      大島海峡

      奄美大島の行き方・出発地別飛行機ガイド

      奄美大島へのアクセスには空路と海路があります。
      海路は鹿児島と沖縄をつなぐフェリーが途中寄港します。鹿児島からがおよそ11時間、沖縄からが13時間です。
      ここではより本数が多く早く奄美大島に着ける飛行機でのアクセスについて、出発地別に紹介していきます。

      東京から奄美大島

      東京からの直行便は日本航空が羽田空港から1日1往復運航しています。

      便名出発到着
      羽田→奄美大島JAL65911:1013:30
      奄美大島→羽田JAL65814:1516:20

      また、同じく羽田空港からは、鹿児島経由になりますがスカイマークが1日1.5往復運航しています。

      便名出発到着
      羽田→鹿児島
      鹿児島→奄美大島
      SKY301
      SKY381
      06:35
      10:20
      08:25
      11:20
      SKY303
      SKY387
      08:40
      16:55
      10:30
      17:55
      奄美大島→鹿児島
      鹿児島→羽田
      SKY388
      SKY308
      18:35
      20:10
      19:30
      21:55

      このほか成田空港からはLCCのピーチアビエーションが週5往復運航しています。ただし夏期は毎日運航となります。

      便名出発到着
      成田→奄美大島MM54107:1509:50
      奄美大島→成田MM54210:3512:50

      鹿児島から奄美大島

      鹿児島から奄美大島へは日本航空とスカイマークが運航しています。

      便名出発到着
      鹿児島→奄美大島JAL372107:4509:00
      JAL372509:0510:20
      JAL372710:1511:15
      JAL372911:5512:50
      JAL373113:1014:05
      JAL373516:5517:50
      JAL373717:0018:20
      奄美大島→鹿児島JAL372208:4509:35
      JAL372410:5011:55
      JAL372611:4512:35
      JAL372813:2014:10
      JAL373014:3515:30
      JAL373417:3018:40
      JAL373818:5019:55
      便名出発到着
      鹿児島→奄美大島SKY38110:2011:20
      SKY38716:5517:55
      奄美大島→鹿児島SKY38212:0012:55
      SKY38818:3519:30

      大阪から奄美大島

      大阪から奄美大島への直行便は、日本航空が伊丹から1日1往復運航しています。夏期には1日2往復に増便されることもあります。

      便名出発到着
      伊丹→奄美大島JAL246509:3511:20
      奄美大島→伊丹JAL246412:0513:35

      またピーチアビエーションが関西国際空港から週3往復運航しています。ただし夏期は毎日運航となります。

      便名出発到着
      関空→奄美大島MM54107:1509:50
      奄美大島→関空MM54210:3512:50

      奄美大島のホテル・宿泊タイプ別情報

      奄美大島にはアットホームな雰囲気のペンション・民宿から、スパ施設を備えたリゾートホテルまで幅広い宿泊施設があります。

      ただし沖縄のような大規模なホテルはなく、施設ごとの部屋数が限られています。そのため、ピーク時期には予約が取りにくくなる一方、共用部などが混みあってストレスを感じることは少ないというメリットがあります。

      以下、タイプ別に宿泊施設例をご紹介します。

      ビジネスホテル/ニュー奄美 など

      奄美大島ビジネスホテル

      ビジネスホテルタイプの宿があるのは、奄美大島の中心街名瀬と南部の古仁屋になります。名瀬の中でも中心地にあるのがニュー奄美やウエストコート奄美、港や海に近い方にあるのがホテルサンデイズ奄美やビッグマリン奄美です。いずれもベッド・ユニットバスを備えた洋室が主です。

      4名以上一室で宿泊できるタイプの部屋を備えたホテルは、ビッグマリン奄美・ウエストコート奄美 WA TERRACE など。部屋数も限られるので、4名以上で宿泊されたい場合には早めに計画・予約するとよいでしょう。

      南部の古仁屋には、ライベストイン奄美とサンフラワーシティホテルがあります。いずれも港までも徒歩圏内で、加計呂麻島観光の前後の拠点としても便利です。

      リゾートホテル/ネイティブシー奄美など

      奄美大島リゾートホテル

      奄美大島のリゾートホテルは多くが北部の笠利、龍郷に立地しています。ネイティブシー奄美は海近くの高台にあり、客室やレストランから美しいオーシャンビューが楽しめます。別館は島でも指折りのビーチ、倉崎海岸のすぐ目の前です。

      他にも文化体験ができるばしゃ山村や、大島紬をモチーフにしたティダムーンなど個性的なリゾートホテルがあります。

      唯一南部にあるリゾートホテルが THE SCENE です。ヤドリ浜に面して建ち、各部屋の大きな窓からは美しい大島海峡の景色を望むことができます。

      THE SCENE

      シティリゾート/山羊島ホテル

      山羊島ホテル

      奄美大島にあって少し特異な存在なのが山羊島ホテル。名瀬にありつつも、部屋の広さや温浴施設にはリゾート感があります。ただ、名瀬の飲食店街までは車で10分弱かかるので、出かける際はタクシー等使うとよいでしょう。

      ペンション・民宿

      奄美大島ペンション

      島内には北から南まで、ペンション・民宿が点在しています。一般的な宿泊施設に加え、ダイビングサービスに併設されていたり、釣り船やアクティビティガイドさんが運営されていたり、目的に応じたバラエティに富んだ宿泊施設があります。
      滞在の目的に合わせてお選びください。

      ダイビングサービス併設

      • ダイビング&ペンション Riki
      • 清水ヴィラ

      釣り船

      • マリンハウスNagi

      サーフガイド

      • ペンショングリーンヒル

      奄美大島で何ができる?アクティビティ情報

      海も山もあり、独自の文化も根付く奄美大島はとても懐が深い島。認定ガイドさんもいて様々なアクティビティで訪れる人を楽しませてくれます。

      マングローブカヌー|汽水域の森をツーリング

      黒潮の森マングローブパーク

      島の中部、住用川の下流域にはマングローブ林が広がっています。その面積はおよそ31ヘクタール。西表島に次ぐ第二位の広さです。
      展望台から眺めても壮観ですが、低い目線から間近に見られるカヌーツーリングが一番の人気です。満潮時にはマングローブのトンネルをくぐるような体験も味わえます。2人乗りもできるので、初心者や小さなお子さん連れでも参加できます。

      奄美大島マングローブ

      マリンスポーツ|多彩なブルーの海でシュノーケル、ダイビング

      インオアシス

      奄美大島の海は青色が多彩です。鮮やかなターコイズブルーから深い群青まで種類を言い表せないくらい様々な青色をたたえています。
      目に美しいだけではなく、マリンアクティビティも盛んです。サーフィン、シュノーケリング、ダイビング、SUPとあらゆる種類のマリンスポーツが楽しめます。夏場に奄美大島に行くならぜひ参加したいアクティビティです。

      クロウサギに会いに行く!ナイトツアー・生き物観察

      アマミノクロウサギ

      奄美大島に生息する固有種の中でも最も有名なのがアマミノクロウサギではないでしょうか。太古の昔からその姿を変えておらず、生きた化石ともいわれています。
      夜行性の動物で、日中は地中の巣穴で暮らしており、夜になると巣穴から出て活動します。よく出没する林道は同時に通行できる車両数が管理されており、ナイトツアーに参加して観察しに行きます。

      世界三大織物大島紬・泥染め体験

      大島紬

      奄美大島を代表する伝統工芸品が大島紬です。その軽い着心地と緻密で精巧な柄で世界三大織物の一つに数えられます。
      大島紬の緻密な模様は、設計図に従って正確に糸を染め、細かいズレを修正しながら織るという特殊な製法で描かれています。正確に糸を染めるためには、染めない部分をいったん強く締めて織る「締め機(しめばた)」という工程があり、織ったものを染めた後、再びほどいて糸にしているのです。

      泥染め

      また、染める工程では、シャリンバイという木のチップを煮出して発酵させた液と泥田での染めを80回以上繰り返す泥染めによって美しい黒色を出しています。 このように大島紬の製造工程は30~40に細かく分かれ、それぞれの工程が熟練の技を必要とするため、専門の職人による分業制で作られています。島内には工程を見学できたり、織り・着付け体験できる工房があります。

      季節限定!ホエールウォッチング

      ホエールウォッチング

      奄美大島の近海には12月~3月、子育てのため北方からクジラが回遊してきます。
      そのクジラをボートから観察するホエールウォッチングが、この時期の人気アクティビティになっています。
      地元では組合を作り、ルールを定めてクジラの環境を守りながら観察を行っています。

      奄美大島で外せない食・グルメ情報

      旅の外せない楽しみといえば食。ここでは奄美大島の代表的な島料理とお店を紹介します。

      鶏飯(けいはん)|奄美大島を代表する島グルメ

      鶏飯

      奄美大島の代表的な島グルメといえば鶏飯。鶏肉や干しシイタケ、錦糸卵などの具をご飯に載せ、鶏の出汁が効いたスープをかけていただきます。
      鶏飯はもともと薩摩藩の役人を出迎えるために生まれたといわれています。
      お店ごとに味が違うので、食べくらべてみるのも面白いでしょう。

      黒糖焼酎|奄美群島だけで生産されるソウルドリンク

      黒糖焼酎

      奄美群島だけで製造されている島のソウルドリンクが黒糖焼酎です。米麹で仕込んだもろみにサトウキビから精製した黒糖を溶かし入れて製造します。芋や麦など農産物そのものではなく、加工品を材料にするのも黒糖焼酎の珍しいところです。

      奄美群島での黒糖を使った焼酎作りは、少なくとも江戸時代には記録が残っています。アメリカ軍の占領下から復帰する際、当時の酒税法では糖質を原料とするお酒はスピリッツの中のラムという扱いになり、高い税がかかるはずでした。そこで奄美の酒造組合が陳情を行い、「米麹を併用すること、地域は奄美群島内に限ること」を条件に、焼酎としての製造が認められることになりました。だから黒糖焼酎は奄美群島でしか製造されていないのです。

      黒糖焼酎は口当たりがよく、そのまま飲んでも、ソーダで割っても美味しくいただけます。パッションフルーツと合わせると、カクテル風の楽しみ方もできます。ぜひ試してみて下さい。

      フルーツ|季節ごとに味わえる旬の果実

      奄美大島では、温暖な気候を活かして年間を通してフルーツが生産されています。ぜひ旬の果実を味わってみて下さい。

      • 冬:タンカン(2月前後)
      • 初夏:スモモ(5~6月)
      • 夏:パッションフルーツ(6~8月)、マンゴー(7~8月)
      • 秋:グァバ(8~9月)

      ミキ|島の健康飲料

      ミキは奄美から沖縄にかけて生産されている乳酸菌飲料です。お米とサツマイモと砂糖を発酵させてつくります。もともとは神様にお供えされた神酒(みき)に由来しています。
      植物系乳酸菌を多く含む健康飲料で、島では子どもからお年寄りまで幅広く愛されています。地元のスーパーなどで見かけたらぜひ飲んでみてください。

      島のお母さんの家庭料理が味わえる「あらば食堂」

      おっかんの旬替わり定食

      島の家庭料理を食べてみたければぜひ「あらば食堂」へ足を運んでみて下さい。
      地元のお母さんたちが、昔から地域で食されている家庭料理をふるまってくれます。

      メニュー作りで一番意識されたのは、“旬なものを旬なうちに”ということ。シマ料理(ジュウリ)が味わえる「おっかんの旬替わり定食」には、旬が詰まっています。
      地元の方でさえなつかしいというローカルフードを味わいたかったらぜひ行ってみて下さい。

      鮮度抜群の海の幸を堪能する「奄旨海房 魚匠」

      魚匠

      島の魚の美味しさを、島で食べるようにそのままにお届けしたいーそんな熱い思いで鮮度維持にチャレンジしている漁師さんたちが集まるのが奄美漁業協同組合の笠利本所。その漁協に隣接した「奄旨海房 魚匠」では、水揚げされた新鮮な魚を漁協婦人部の奥さまたちが調理してくれます。

      刺身定食やミックスフライ定食、一品料理ではトビンニャやソデイカ刺身、もずく天ぷらなど、地元の食材を使ったメニューが勢ぞろい。
      中でもいちおしのメニューは「ウンギャル丼定食」です。ウンギャルマツとは和名で「アオダイ」のこと。奄美大島近海でよく獲れる高級魚です。

      海に囲まれた奄美大島では、暮らしの中に豊かで新鮮な海の幸がたくさん登場します。ぜひその一端に触れてみて下さい。

      いかがでしょうか?
      奄美大島の魅力は、とても幅広くて奥深いです。ぜひ一度足を運んでご自身で確かめてみてください。

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