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最終更新日 2025.06.24

奄美の中心地・名瀬は観光に便利 | 拠点にするメリットとおすすめホテル・スポットを解説説

  • 奄美大島

目次

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      名瀬は奄美の中心地

      名瀬の位置

      奄美大島の中部、島のだいたい中心あたりにあるのが名瀬。島の北部にある奄美大島空港から車で約50分、加計呂麻島に渡る島南部の玄関口・古仁屋まで車で約60分の位置にあります。

      公式には「なぜ」と読みますが、地元の方には「なせ」と濁らず読む方もいらっしゃいます。

      名瀬には行政庁舎が置かれていたり、多くの商業施設が営業していたり、物流の要となるフェリーが発着する港があったりと、行政・経済面で奄美大島、奄美群島の中心地となっています。

      名瀬を拠点にする5つのメリット

      名瀬はビジネスはもちろん、観光目的での滞在でも拠点として便利な場所です。ここではそのメリットを5つのポイントからご紹介します。

      各地へのアクセスが便利

      奄美大島は実は離島としてはかなり大きな島です。佐渡島に次いで2番目に大きく、その面積は東京23区や琵琶湖より広い700平方キロメートルあまりです。そのため島の北から南まで縦断するのに車でもおよそ2時間かかります。

      名瀬はその奄美大島のちょうど真ん中あたりにあります。そのため、名瀬を拠点にすると、島の北にも南にも点在している観光の見どころまで距離の偏りがなく、移動が便利です。

      ホテルが多く選びやすい

      行政庁舎があり事業所が多い名瀬にはビジネス目的で訪れる方も多いので、ビジネスホテルが数多く立地しています。
      そのためエリア内で泊まることができる部屋数が多く、選択肢が豊富です。

      飲食店の多さ|島唄が聴ける店も

      名瀬には飲食店も多くあります。島料理と黒糖焼酎を楽しめる食事処、島唄ライブが開催される居酒屋、中にはオーナーが唄者(島唄の歌い手)であるお店もあります。

      和のテイストだけではなく、イタリアンなどの洋食やチェーンのファミレスもありますし、クラフトビールの醸造所に併設されたビアパブもあって、日替わりで様々な食を楽しむことができます。

      ガイドツアーに参加しやすい

      アマミノクロウサギ

      クロウサギのナイトツアーや金作原トレッキング、マングローブカヌーなどガイドツアーは名瀬から送迎としている事業者が少なくありません。
      例えば夜の生き物観察ツアーを催行している観光ネットワーク奄美は名瀬にある事務所が集合・解散場所になっています。

      また老舗ガイドのアイランドサービスも、金作原トレッキング&マングローブカヌーなどの1dayツアーについては、名瀬市街地ホテルは送迎対象になっています(他ゲストの予約状況により送迎できない場合もあります)。

      特にナイトツアーは日没後約3時間のアクティビティで解散が21時前後となるため、名瀬に宿泊していればすぐにホテルに着いて早く休むことができます。

      商店街などで島の暮らしに触れられる

      旅先の日常に触れるのも旅の醍醐味。スーパーや商店に並ぶ品にはその土地らしさが表れ、暮らしを垣間見ることができます。
      名瀬には大型のスーパーに加え、7つの商店街もあります。毎月第4日曜日には通りの一部が歩行者天国となり、地場産野菜が販売されたり地元ならではのお店が出店したりする「なぜまちマルシェ」が開催されています。

      また奄美に関する書籍が集まっている古書店あまみ庵も名瀬にあります。
      名瀬を拠点にすると、こうした商店をめぐる楽しみ方もできます。

      名瀬のおすすめホテル

      こんな奄美の中心地・名瀬で滞在の拠点にしたいおすすめのホテルをピックアップしてご紹介します。

      ホテルニュー奄美

      ホテルニュー奄美

      名瀬の中でも中心街にあるホテルニュー奄美。本館と新館で部屋数は181室もあります。部屋の構成としてはシングルが主体で、ツインは19室と少な目です。
      一人旅の方や同じグループでも宿泊は別々の部屋がいいという方におすすめです。

      ウエストコート奄美

      ウエストコート奄美

      奄美空港からのバスが発着するバス停が目の前にあるホテルです。もともと1館のみでしたが、サウナ付き大浴場を備えたⅡや最大5名まで宿泊できるWA TERRACEもオープンしました。
      ホテル内レストランのさくらダイニングは夕食営業も行っています、出歩かずに食事を済ませたい時には便利です。
      ウエストコート奄美はツインも30室以上あり、カップル・友人同士などでも利用しやすくなっています。

      ホテルビッグマリン奄美

      ホテルビッグマリン奄美

      名瀬にあって希少な和室があるホテルです。ファミリーなど4名以上のグループで一室に泊まりたければ一番の候補になります。
      名瀬の中心街からは車で5分ほどかかりますが、その分駐車場が無料です。
      郷土料理のレストランで夕飯に島料理を味わえるほか、夏期には屋上でビアガーデンもオープンします。

      山羊島ホテル

      山羊島ホテル

      広めの部屋やスパからの眺めがシティリゾートの趣きで、名瀬のみならず奄美大島全体でもユニークな存在の山羊島ホテル。
      中心街までは車で10分ほどかかるものの、名瀬のアクセスのよさを享受しつつ、リゾートライクな滞在をしたいという方におすすめです。
      ホテル内レストランでの夕食は、一品料理から洋食のフルコースまで対応しています。

      名瀬で借りる・返すならラッキーレンタカー

      広い奄美大島の移動・観光にはレンタカーがあった方が便利です。ただ多くの営業所は空港周辺にあり、配車・返車とも空港営業所というレンタカーがほとんど。
      そんな中ラッキーレンタカーは、空港と名瀬に営業所があります。営業時間も長く、名瀬営業所はなんと24時間営業しています。
      到着日・出発日以外の中日はガイドツアーの送迎があるのでレンタカーを使わないという場合には、必要な時だけ借りられるので便利です。

      名瀬の成り立ちとその歴史

      ところで名瀬はなぜ奄美大島の中心地になったのでしょう?その成り立ち・歴史をさかのぼって訪れる前に予習してみましょう。きっと街歩きが楽しくなりますよ!

      薩摩藩仮屋敷が都市化の起点に

      奄美大島が薩摩藩の統治下にあった江戸時代の1801年に、藩の出先機関である仮屋敷が名瀬に移転します。現在の地名では名瀬矢之脇町、名瀬の市街地から大浜海浜公園に向かう県道79号線を一本入った鹿児島地方検察庁名瀬支部から大島石油にかけての一帯にあたります。

      当時奄美大島の島民は年貢を米ではなく黒糖で納めさせられていました。薩摩藩はその黒糖を高値で転売し、藩財政の大きな収入源としたのです。そうした政務の中心が名瀬におかれるようになり、奄美大島の中心地としての歴史が始まりました。

      白糖工場の建設で商人街が形成

      江戸末期の1865年頃、現在の鹿児島地方裁判所名瀬支部のあたりに白糖工場が建設されます。ここは仮屋敷にも港にも近かったので便利だったと考えられます。

      薩摩藩が独占していた黒糖の売買は明治維新後、一時県が設立した公社に引き継がれましたが島民の反対運動により廃止されます。こうして専売体制がくずれると、代わって鹿児島や大阪から黒糖の買い付けや日用品の販売のために商人が来島しました。商人たちは役所や船着き場に近い金久(かねく)本町通の界隈に店を出し、繁華街が形成されていきます。

      100年以上の歴史を持つ繁華街・屋仁川

      屋仁川

      現在の屋仁川通りはもともとその名の通り川が流れていました。名瀬の料理屋は当初町の中心部にあったものの、明治43年(1910)、当時の警察署が飲食店を屋仁川通りに集めます。こうして屋仁川は飲食店街となりました。

      今や屋仁川は鹿児島市の天文館に次いで県内2番目の繁華街となっています。地元の方々は親しみをこめて「やんご」と呼んでいます。

      名瀬で訪ねたいスポット・お店

      名瀬には飲食店だけではなく、島の文化や暮らしを感じられるスポットもあります。数ある中から3つピックアップしてご紹介します。

      島唄文化を継承する「セントラル楽器」

      セントラル楽器

      奄美本通り商店街にある音楽教室も営む楽器店のセントラル楽器は、ただの楽器店ではありません。島唄など島の音楽を残し受け継いでいこうと、なんと島唄のCDを自主レーベルで製作し、販売しています。

      奄美の島唄は生活の中で歌われてきた唄です。しかも、掛け合いによってその場その場でアドリブで作り上げながら唄われてきました。島唄は舞台芸能ではなく、みんなで一緒に楽しんで唄ってきた島の方々のアイデンティティの一部なのです。

      セントラル楽器はそんな島の方々の心に深く根ざす島唄の発信基地です。ぜひ触れに訪ねてみて下さい。

      「Tortuga(トルトゥーガ)」の奄美Tシャツで島んちゅと一気に近づく

      トルトゥーガ

      「Tortuga(トルトゥーガ)」は名瀬の市街地を南北に走る支庁通り、教会の向かいにあるセレクトショップです。同店は島の方御用達のお店であると同時に、方言や奄美のフルーツをモチーフにした奄美Tシャツを制作・販売しています。

      奄美Tシャツはお土産にぴったりなのはもちろんですが、実際に着て島内をめぐれば地元の方とのコミュニケーションのきっかけにもなるかもしれません。

      末広市場のディ!ウェイブ放送所は島の情報ステーション

      ディ!ウェイブ

      奄美市の観光交流センターAiAiひろばの向かいに並び建つのが永田橋市場と末広市場です。どちらも戦後に起源を持つ歴史ある市場で、市民の台所として賑わいました。経営者の高齢化や大型スーパーの出店で空き店舗が増えた時期もありましたが、奄美市が再生に向け取り組むのに応え、末広市場内に島のコミュニティFM、ディ!ウェイブの放送所が開設されました。

      島の方言で番組が放送され、島の人が登場するディ!ウェイブは、「シマッチュの、シマッチュによる、シマッチュのためのラジオ」というキャッチフレーズどおり、島の人に島のことを伝え、交流するためのラジオ。毎日のお昼の生放送と土日の生放送は末広市場のスタジオから放送しています。駄菓子店を併設し、子どもたちにも人気です。

      スタジオはガラス張りなので、目の前で放送する様子を見ることができます。タイミングが合えばぜひ覗いてみて下さい。

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